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真っ二つ

 これが民主党の現状なのだろう。代表選で中央の国会議員票では僅か6票差だった。鳩山バカボンに於いて象徴的である如く、「世話になっている」などの個人的理由でその候補に付くのが大儀であるという、とんでもない脳味噌ばかりなのだろう。サポーター票などは世論と比例するものと片付けてしまえば、小沢はやはり党内で強かったという事実がここにあるではないか。はたして今後、政策の党内議論なんぞまともに出来るのか。我々の目に浮かぶのは、与党内での足の引っ張り合いから生み出されるみすぼらしい骨抜き法案の陳列ではなかろうか。

 菅の「小沢外し」が赤裸々過ぎもしたが、世論調査の支持率は跳ね上がった。ここで小沢本人を担ぎ出した連中は明らかにその時機を踏み違えた観がある。世間には、なんで小沢本人なのだ? という疑問が最初にあったろう。
 政権交代直後の国民の失望は、馬鹿坊ちゃま総理に加えて、旧自民党の権力横暴そのものな新任幹事長の振る舞いにあった。やがて小沢は脇を突かれ、鳩山はあちこちを乱雑に引っ掻き回すだけでその座から降りざるを得なくなった。哀れ傀儡総理が為した唯一の “仕事” は、道連れとして「嫌われ幹事長」を引きずり下ろした事だけだった。

 しかし今回の民主党代表選は、菅が言うように実施して正解ではなかったか。勢力構造が真っ二つであるのが晒されただけでも国民の目には得るものがある。前総理の鳩山が今回の対立選挙を回避しようと努めたかに言われる向きもあるが、それは間違いだろう。鳩山はただ小沢のパシリを務めただけに過ぎない。
 「幹事長の椅子をよこせばこのままにしといてやると言い含めてこい」などと押され、ひょこひょこ官邸に出向いたものの、「何を酔ったようなこと言ってやがる」とあしらわれ、「ありゃあ言うこと聞きませんよ」と小沢の元へ舞い戻る。御舎弟様の例えではないが「黒い阿呆バト」そのもので、その馬鹿っ面に恥の上塗りをしただけである。
 
 代表選投票直前に行われた双方の最終演説はなかなかの理想論で、浮動議員共には甲乙付け難かったのではないか。しかし外交については何ら触れず、米軍基地も中国の軍事増強も、尖閣諸島や北方領土、円高日本一人負けの糞詰まり現状も、ややこしい話は棚置きだ。
 党内を二分した権力争いの最中、これは好都合とばかりに中国はやたらと揺さぶりを掛けている。国家が一丸とならねばならん時に、お前達はいい加減にせいと我等は毒突くものの、国民が懐く危機感を知ってか知らずか、「挙党一致、分裂だけは避けたい」などと頭数の確保だけに御執心のようだ。

 分裂を恐れ、野党に下る度胸も持てず、意味無く妥協の上の擦り合わせだけが生まれるのであれば、それでは改革も進みそうでなく、ウロウロしている間に国は占領されているかもしれない。

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