えらくムシムシするじゃないかとビールをガブガブ飲んで焼酎を数杯飲んだら寝てしまい、とんでもない時刻に起きてしまった。 これはいかん、湿度が高い。 避難所の人達も寝苦しいだろうなと思う。 せめて冷蔵庫でもあれば保冷枕など使えるだろうにと。
電力屋からの節電願いチラシが郵便受けに入っていた。 15% 削減に協力せいというものだ。 協力はやぶさかでないが、エアコンなんぞハナから備えちゃいねぇわい、模範的節電消費者としてプレミアムビールでも中元に持ってこい、などと毒突きながら缶ビールをまたプシュッと開けた。
だいたいエラソーなのが気にいらねぇ・・・と呟く。 ハシモトがボロクソにこき下ろして怒るのも無理ぁねぇわな、と。
気を取り直して、思い付くままに書いてみる。 ウィンブルドンでは伊達のおキミさんがあのビーナス・ウィリアムズを追い込んで慌てさせた。 一回戦では地元の若手を退けたために、あんなオバハンに負けるとは情け無いと自国選手の不甲斐なさを嘆いた英国紙も、ビーナスをあそこまで追い詰めた驚異のオバハン、彼女はテニスの貴婦人だと持ち上げたらしい。
見ただけで大変な体格差がある。 腕力も倍くらいあるのじゃないかと思わせる大きな躯体のビーナス。 強烈な男子並みサーブを繰り出す 「加賀高のお蘭」 こと緑川蘭子に向かう西高の岡ひろみのようなものではないか。 あのお蘭もえらくデカかった。 クルム伊達の凄いところは、長いブランクをおいてこの年齢で再挑戦した身であるにもかかわらず、闘争心が萎えていない様を世界に見せつけるところだ。 サービスエースを取りに来るヤツをバカンッ!と打ち返し、ラリーに持ち込む。 「きぁがれぃ!」 と叫ぶ。 勿論、彼女はそういう下賤の輩みたいな言葉は使わない。 「カマァン!」 とでも言うのだろう。
バリバリ若い頃の彼女は自分に苛つくと 「あー、ちくしょぉ!」 とか 「くそっ!」 とか大声を上げていた。 それが世界レベルの伊達公子だった。 観戦スタンドでは、無闇なほどに熱い松岡修造がハチマキで日の丸の大旗を振っていたものだ。 思い返せばなんとも懐かしい。 そろそろ沢松、伊達、杉山に続く選手が台頭してきて欲しいものだ。 丁度数日前、夜の9時頃からアニメの岡ひろみを放送していた。 先頃亡くなった出崎統の監督作品。 効果線やハッチング、心理描写の背景模様まで、「出崎!」 と一目で分かるのはこの頃から何も変わっていない。 この少女マンガを描いた原作者がアヤシイ宗教屋になったのだとかどうだとか聞いたが、それはともかく、西高の岡ひろみやお蝶夫人、加賀高のお蘭らは宗方コーチや藤堂さんらと共に人々の記憶に鮮明な姿で存在し続ける。
嘘か誠か、上記の松岡修造はこの 「エースをねらえ!」 のマンガに心酔してテニスプレーヤーになったのだとファミリー劇場で喋っている。 ならば岡ひろみと竜崎麗香、当時どちらが好みのキャラであったのか訊いてみたい気もする。 いや、うかつに質問しない方が身のためかもしれない。 なにせ無闇なほどに熱い男なのだ。 朝まで喋られたのではたまらない。
「立て! 岡っ! ラケットを拾え!」 「コーチ・・・!」
♪ コオォトでぇわぁ~ 誰でぇもぉ~ひとり、ひとりきり~ ♪
ううむ、思わずカスミンのように拳を握ってしまうではないか。
こんじょだ! こんじょ!