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利権構造体

 貴族共、何故にバラなんぞを歌うか。人民を養うデモクラシーのジャガイモを歌え!

 ハイネなりな血の叫びといったところだろうか。 政官財、そして学とメディアをも含めた五者により構築された現代日本の利権構造。 その見事なまでなシステムの前に、人民の力はあまりに弱い。

 官邸はその場しのぎに役人制作の耳障り重視な発言を繰り返し、世界に向けては無能丸出しの嘲笑買い声明で恥をかき、銭がないなら人民から更に巻き上げればそれで済むと馬鹿殿ぶりな高笑い。
 業界がお役所的独占電力業者と国家政策の下にある以上、電気料金値上げは実質的増税である。 さらに復興税だの消費税増税だの、ここぞ絶好機とばかりに年貢の吊り上げに掛かっている。 被災地、被災者が大変困っているのだからと、それにかこつけて横行している詐欺犯罪とまったく同類である。 端的な話、彼等利権構造体のやることは国民に対する「震災詐欺」なのである。

 銭がないなら年貢吊り上げ前にまず身を切らねばならないだろう。 あの徳川ですら 「飯は一汁一菜」 とやったのだ。 今のあまりに高額な議員報酬や公務員人件費は、庶民一家に喩えれば親父のパチンコ代、いわばむざむざとドブに棄てている血税国費である。 赤字なれば最初にそこから手を付けるのが筋道というもので、もはや無駄遣いではなく組織規模の公金横領行為である実状を正さねばならぬのは幼児のママゴト世界でも正道にして真理。 御用メディアはそこに一切触れず、国会は権力しがみつきと引き摺り降ろしの政局算用に終始。 未曽有の震災を人質に取った悪辣極まる政権争いである。 省庁はこれ幸い、描いた通りな展開に着々と利権基盤固めや増税画策にホクホク顔なことだろう。

 列強の侵略帝国が何をほざくかという思いが最初に来るものの、「民衆を支配するのは議会であってはならぬ、議会を通じて民衆自らが支配すべきである」 とは英・チャーチルの弁だ。 言葉そのものは賛同の一説ながら、残念なことに我が国の現状を見れば夢のまた夢ではないかと自虐に陥る。
 利権構造体の運営システムは愚かな人民に深く根を張る。 議会に送り出す人間を選ぶのも個人の損得計算でしかない。 国家がどうなろうとも我が身、我が家族さえ保障してくれればいいのである。 隣の奴がどうなろうがかまわないのだ。 それが組織票を固め、有効投票数の大半を占め、族議員の利権を確約する。
 そもそも能動性を奪われ呆けてしまった人民の堕落が投票率の低さに表れている。 いい歳こいた太っちょオジサン達がAKBの総選挙投票権欲しさに何百万もはたき出しはしても、国政選、統一地方選には見向きもしない。 国民全てがこの馬鹿調子だとまでは言わないが、これでは議会が民衆のために動く筈もなかろう。

 利権構造体は我が世の春を謳歌し続ける。国土と人心が殺伐たる荒廃を見せても責任論などどこ吹く風である。 見ているがいい、震災対策のお粗末さも原発事故の人災も、知らぬ存ぜぬで責任は霞の如く掻き消され、過ぎたることはどうでも良いではないかの論調を御用メディアは流しまくるだろう。 年金問題の責任は一体どこのどなたが負ったのか、うやむやの内に帳消しとなった現実を見れば一目瞭然である。

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