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鬱陶しい

 体調は悪くないのにこの鬱陶しさは何なのか。 被災された方々に言わせれば 「お前達が何を言ってる」 となるのだろうが、肩首の辺りに鉛板をぶら下げられたような煩わしさ。 明日に向かって解き放たれる開放感を欲しているような、妙な感覚だ。 なんなんだ、このせいせいしねぇのは、と自分に毒突いてみる。
 大震災の壊滅的被害による無情さか、無力感なのか。 いや、そうではない。 天災の計り知れぬ規模を前にすれば地球の営みと喧嘩したところで勝ち目などないと、それについてはとうに白旗挙げている。 なにあらん、我が国はここまで腐敗、堕落してしまっているのかという失望、どうやらその辺りらしいのだ。

 福島原発の事故対処だけはいただけない。 無知、無能、無責任と保身。 世を欺き続けて利権を貪り続けた果ての事故惨状に、隠蔽で誤魔化しきれるとした結果が取り返しのつかぬ惨劇となった。 あきらかに人的過ちの二次災害だろうし、代償が大きすぎる。 被災地は地震、津波の上に決定的な追い打ちを掛けられ、それはまた風評被害を含めて数ヶ月、数年で取り返せるとは思えないだけに、甚だ深刻だ。
 「たら・れば」 を言ってもしょうがないのはスポーツ競技の世界だけで、原発事故対処のそれはまさに痛恨。 多くの人命に関わるからには 「たら・れば」 の当事者共に掛かる責任は極めて重大だ。 初動処置で防げたであろう悪化の食い止めは、公的配慮無しで保身に走った私利私欲に打ち砕かれた。

 最悪の事態が充分想定される中で米の手助けをなぜ断ったのか、そこまでして隠さねばならぬ問題の根源が何であったのか。 いずれ白日の下に曝さねばならぬ。 挙げ句にはどこへも連絡無しで放射線物質の水をしゃあしゃあと垂れ流し、「苦渋の決断」 などと取って付けた猿芝居である。 その結果がこのザマで、漁協はオトシマエ付けろと怒鳴り込み、国際社会からは厄介者扱いされ、西の大陸や半島には余計な 「付け入る隙」 を進呈してしまった。

 癒着の天下り軍団・東京電力は言うに及ばず、永田町、霞ヶ関の政府、中央官庁に於いて、国難に対する姿勢がまったく見えない。 国民が 「信用出来ない」 とする情報の出し方は、自分達の保身、延命がまず先にあるからだろう。 責任を問われるのは火を見るより明らかなだけに、少しでも有利な情報の出し方へと操作に余念がないように見える。 結果、振り回され、とんでもない人的被害を被るのはそこに住み、そこに生活の糧を持つ国民である。

 莫大な復興費が目前に迫っている現実にも平然たるものだ。 国家を挙げてなんとかせねばならぬ事態に、とりあえず体裁悪いので議員報酬から一人頭300万だけ一時金としましょう、国家公務員は5%の人件費カットにしましょう、では国民を鼓舞することなど出来ようか。 どこまで根性が腐っているのかと怒りを禁じ得ない。
 地方政策方針の是非はともかく、各地方の人気首長達が大衆支持を得ているのは、税金である自分の報酬を真っ先に削ってその姿勢を示したからだ。 税金であるお役所内の経費削減、人件費削減に努めたからだ。
 我が身可愛さで情報を出し渋り、体裁付けだけの議員報酬半年カットでは国民の誰も納得せず、不信感を膨らませるばかり。国の中央を司る者共の 「姿勢」 の問題なのだ。 国家公務員の人件費も大ナタ振らねば知らぬうちに元へと戻っているだろう。
 今更マニフェストもクソもない。 国民があれだけやめろと騒いでいるにもかかわらず、この有事にもそれをゴリ押しする様は、国費をバラ撒いて票田にしがみつく横領行為ではないか。 この人心柔和な列島に核ミサイルぶち込まれても、こやつらは自分達の票田保護だけに動いているのだろう。

 自民党もえらくおとなしい。 それもそうだろう、自分達が長年に亘って育んできた癒着腐食の構造が生んだ重大な人的災害だ。 あれはいけなかった、根本的な構造改革を、と大声挙げる自民党員は一人でもいるのか。 この機に乗じて政権転覆しか考えていまい。 森だの古賀だのといった古狸がウロウロし始めているのを見れば、自民の中堅若手議員共にはやはり何の発言力もなく、政権に胡座かいて利権汚職だけが仕事だった昔のままだろう。

 壊滅的被害の大震災・大津波。 その上に国際的信用をここまでなくし、泣きっ面に蜂ではないか。 一体誰が悪いのか。 そんな国会議員しか選べぬ国民が愚かなのか。 そんな役人共が蔓延るのを笑って見過ごす国民が馬鹿なのか。 一億総白痴か。 毎夜のニュースを見る度に虚しく沈鬱な気分になる。


 ええい、どうにもせいせいしない、とばかりに水樹の奈々様を幾つか聴いてみる。 少しばかり気が晴れる。 「夢幻」 ってなぁ難しそうな歌だな、こんなのカラオケで流暢にやってのけるトーシロの女の子、そんじょそこらにいるんかい? なんて思ってみたりする。

 ついでに 「WHITE ALBUM」 のアニメを見る。 やっぱしよォ、理奈ちゃんって、ええコだよな、ウジウジしねぇしよォ、などと呟く。 しかしなぁ、コワーイ弥生ネェさんも棄てがてぇわな、ああいうネェさんとメイク・ラブでヒィヒィ言わしてぇモンだ・・・・。 いつの間にかドスケベな日常に戻っている自分がある。 アニメはこんな時、それなりに良薬でもあるらしい。
 

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