記事一覧

外相の代わりはいるのか

 大国のエゴイズム、ごり押しによって国連が機能せず、ただのお茶会イベントに等しいのは言うまでもないが、そこで首脳らの個別会談が催される機会は重要だ。 国のトップとしてどちらかが相手国に出向く行為が平身に見えて芳しくないとするならば、世界の寄り合いで出会ったついでに話でもしましょうとのスタイルは双方にとってまこと都合良い。
 外交は詰まるところトップ同士の決め事になる。 そこまでの下拵えが事務方や国務長官だの外務大臣だのといった立場の役割だ。

 前原が辞めて後釜はいるのかと見渡せど、民主党内に代役はいそうにない。 鳩山や小沢、菅、仙谷といった連中がボロボロにしてしまった外交、国家姿勢をなんとか立て直そうと対外バランスをやりくりしていた矢先だけに、丸潰れだった世界の信用はもはや皆無に等しくなった。 もうどこもまともに相手にしないかもしれないという懸念だけならまだしも、これ幸いとばかりに付け込んでくる国は八方にいる。 首相は外務大臣の椅子に誰をあてがうのか知らないが、ここで自党に前原以外の適任者はいまい。

 対外的な考え方だけを見れば、前原は安部や石破らとさほどの違いが無いように思える。 さっさと辞めてしまった行動からは、民主党政権ではこの国が保たないという意思表示にも見える。 もっとも、自己保身が第一にあるだろう事は誰の目にも明らかで、「この身を賭して・・・」なる決意があればここで辞める事態が引き起こす更なる国家苦境も想像出来得た筈だ。 野党攻勢から察すれば、とても予算審議どころでなくなるという理由も分からないではない。 が、しかし、厚労省とその大臣の不手際もやり玉に挙げられる中では、この国会停滞は外務大臣の不適切な献金受領問題だけに納まらず、皮肉なことに結果として前原辞任は雪崩打つ政権崩壊の前にあまり意味をなさなくなるかもしれない。

 噂されるように、国家予算と解散が引き替えにされるのか。 まったくもって国民の生活が政争の人質だ。 与野党の攻防は自国民を苦しめるカダフィと大して変わらない。 故に 「それ見たことか」 と罵倒されるのだ。 政権交代後、速やかに政界再編に向けた段取りを底辺で固めていれば、国民の傷も少しはマシだったかもしれないではないか。 自民は駄目だった、民主は更に駄目だった、今や無党派層が圧倒している。 小学生ならばおそらくこう言うだろう。

 「そんなの、いいトコだけ拾い上げてひとつにすればいいじゃん。
            あとの要らないトコは燃えるゴミの日に出すんだよ」

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://www.yotchn.com/diarypro/diary-tb.cgi/101

トラックバック一覧