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眼科へお迎えに行ってきた

 数日前、お袋さんから「目医者にいるから迎えに来い」と電話があった。後発白内障とかいうのが出たらしく、なんだかよく解らないが、白内障手術でレンズを入れた部分に濁りが生じたのだそうで、ああ、これはちょくちょく出る症状ですよと、いとも簡単にレーザー治療して貰ったらしい。
 綾波レイか呂蒙子明みたいに仰々しい眼帯でもされているのだろうと思いきや、何のことはない。三日もした後、再び電話がかかってきて、「嘘のように世の中が晴れ渡った」と喜んでいた。

 眼科に限らず、きょうびの医療現場には最新鋭のハイテク工作機械みたいなのが居並ぶ。CTだMRIだに仰天した昔が懐かしい。レーザー治療なんていうのもあっという間に終わる。なるほど、こんな世の中なれば、数時間で自分の顔形を変えて逃走するヤツもいる訳だ。

 それにしても医者という職は人体や薬剤だけ理解していても勤まらないように思えるハイテク医術の世界ではないか。大手術ともなれば勿論そのテの専門屋が付くのだろうけれど、日々の診察で「この医者ぁ、こんなややこしそうな機器、本当にまともに扱えるンだろうな?」と少し心配になる。まったくの余計な疑心なのだが、田舎の汚い診療所で飲んだくれ医者に赤チン塗って貰っていた幼年期のトラウマで、これはご勘弁願いたい。

 ただ最近は、医療機関窓口で健康保険証を提示しても、本当にあなたがこの当人であるのか生年月日を答えさせられたりするのだそうで、それが気に入らんと言ってお袋さんが怒る。そりゃあ悪用するヤツが多くなってきて困るから形式上だけでもそういう対処をせざるを得ないのだろうよ、となだめるものの、それじゃあ健康保険証なんぞ身分証明書にも何にもならないという事かい、と突っ込まれ、ぅへぇ、今日のお袋さんは鋭いな、と頭を掻く私。

気象図

 数日前から夜に虫の音が聞こえるようになった。お彼岸めいっぱいまで猛暑と熱帯夜なのだろうかと、げんなりしていたところに初秋の風情はありがたい。
 しかし、7号の台風は沖縄本島を直撃し、怪我された人も出ているようだ。この7号の軌跡や予想進路を見れば、張り出している太平洋高気圧の縁を迷いもなく辿っている。今後、北海道から朝鮮半島にかかる前線が尚一層の刺激を受けそうだ。

 コンピュータによる演算処理がこれだけ迅速に行える世になっているのだから、気象庁の天気図というものも、平面的な蜘蛛の巣図から3D化しても面白いのではないか。即ち、等圧線を等高線に置き換えて山だの谷だのというビジュアルモデルにしてみるのだ。お年寄りや子供に分かり易いと思うのだが、どうだろうか。

「ぅへぇ~! あの古井戸みてぇなモンは何じゃ?」

「爺さん、あれが台風さや。こっち向いて来おるのが判ンだろ?」

「そうかぇ。あんな深そな穴へ落ちたらエライこっちゃ」

「だろ? だぁからよ、さっさと避難せにゃ」


・・・・ってな具合に

 

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